撚られなかった弦:古代の擦弦楽器

ただ糸を束ねただけ。

原初の擦弦楽器の弦は

撚られていなかった・・・!?

二弦玲琴

先日、貴重な楽器を見せて頂きました。

「二弦玲琴」。

玲琴とは、音楽学者・田辺尚雄さんが考案された、大正生まれの低音胡弓です。現在、日本にあるのは数台だけかもしれず、「幻の楽器」ともよばれる楽器です。

そんな貴重な楽器を再現(製作)された石田音人先生。

玲琴は3弦か4弦が基本。
…なのですが、今回は「最初は二弦のものが作られたのでは」説に基づき、資料等は何も無いまま二弦玲琴を製作されていました(!)。

豊かな低音が魅力的なのですが、今回印象的だったのは弦の構造。

撚られていない弦

一見、普通の弦。
なのですが実はこの弦、撚(よ)られていないのです。

普通、弦は何本もの金属や絹をよって作られているのですが、古い擦弦楽器には、糸を撚らずに束ねただけのものがあるとか。

文字だと伝わりにくいので、もう少し分かりやすい画像を。

↑撚られていないため、1本の弦が簡単に分かれるの図。
糸がねじ合わされず、真っ直ぐピンと伸びている様が伝わりますでしょうか?

馬頭琴では馬のしっぽの毛を束ねて弦にしていたようですが、こちらの弦の素材は、釣り糸にも使われるテグス一号!

(ビーズ作りに夢中だった小学生時代、テグスでビーズを形作っていましたが、釣り糸のことだったのですね…!)

弦の本数と重さ

このストレート弦に使われてるのは、70本〜150本程。

より低音を出そうと180本以上に増やすと、きちんとした音が出ないのだとか。

本数を増やせば太くなるので低音も出るはずなのですが、今度は弦を鳴らすための強さが(指で抑えるだけでは)足らなくなってしまう。。。

何か重たい別のモノを使って押さえれば音は出るようですが、それでは演奏にならない…

(うーん…、このあたり、分かりやすい物理的な説明ができたら良いのですが…。数学や物理と音楽の関係、すこし面白いなと最近本を借りたりと、ゆったり学んでおります。)

こちらは、四弦(!)。

ピアノとはまた違う音楽の世界を垣間見るようで、なかなか面白い。

あることを深めるということは、音楽を超えて、数学・物理・歴史・国語…、いろんなジャンルにつながるなぁぁ。。。

だから私は学問は、入り口は色々あれど山登りみたく、似たようなところへ登っていく(掘り下げていく?)ような気もしています。。。


※演奏されている方は、私が胡弓を師事している石田音人先生です。